リンパ浮腫の治療

こんな事でお困りではありませんか?

  • 主治医の先生は大丈夫と言うが、自分では違和感がある
  • 抗癌剤治療中で、全身に浮腫が出てきたり、皮膚が硬くなったりしているが、特にケアを受けていない
  • 手術した病院のリンパ浮腫外来までの日にちが空いている。症状があるがほっておいても大丈夫?
  • 手術はもう何十年も前で診療情報提供書ももらえないが、浮腫んできてどうしたら良いかわからない
  • 自分で弾性着衣を買っているが、ケアの方法を再確認したい
こんな悩みを抱えている患者様

当院は、医師の診察の元ケアを行なっております。
『リンパ浮腫外来に行きたいので、紹介状を書いて欲しい』『リンパ浮腫外来をしている所を紹介してほしい』と主治医の先生に言い出しにくくても大丈夫です。当院から主治医の先生にケア開始の状態報告などその都度ご連絡をさせて頂き、連携を取って参ります。心配なさらずにご連絡下さい。
抗癌剤による皮膚の硬さには早期のケアが重要だと言われています。自覚された時点でのケア介入が大事ですので、そのような症状がある方はご相談ください。
ご自身で何十年とケアをされていたが、ケア方法があっているのか確認をしたい方も大歓迎です。
弾性着衣の指示書も記載させていただいております。何十年も前の手術でも、今になって浮腫んできてどこに行ったらいいのか迷われている方、浮腫は早期にケアを開始することが悪化防止に繋がります。自覚・違和感がある方はご自身で迷わず、まずはご連絡・ご相談ください。

リンパ浮腫の治療

当院では、国際リンパ学会で標準治療とされている“複合的理学療法”に基づいた治療とセルフケア指導を行っており、患者様に最適な治療プログラムを作成して安全で効果的な治療を実現しています。また、継続的なサポートを行うことで、症状の軽減とその状態を長く保持できるようにしています。

リンパ浮腫の問診は下のボタンをクリックし、記入していただいた上で、ご来院いただけますとスムーズです。

複合的理学療法(リンパ浮腫保存的療法)

診察に加え、スキンケア、医療徒手リンパドレナージ療法、圧迫療法、圧迫下の排液を促す運動療法という、リンパ浮腫治療の基本をしっかり抑えた複合的理学療法を行っています。これにより、患部にうっ滞しているリンパ液の流れを改善させ、うっ滞が原因で硬くなった皮膚の状態も改善させていきます。さらに、炎症回数の減少やその早期改善も期待できます。
このうち、患者様がご自宅で行うセルフケアなどに関しては、丁寧でわかりやすい指導やフォローを行っています。ご自宅でのケアを的確に行えるようになることで、安心して快適な生活が送れるようお手伝いしています。

スキンケア

リンパ液のうっ滞が起こると免疫力が低下しやすく、皮膚の乾燥や傷が感染を起こしやすい状態になります。これにより、皮膚の炎症や蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こしやすいため、スキンケアで皮膚を手入れして清潔と保湿を保ち、感染症を予防しながら 皮膚を良い状態に保ちます。

医療徒手リンパドレナージ

柔らかいマッサージによってうっ滞しているリンパ液を健康な皮膚やリンパ管などの適切な方向に流す施術です。これによってリンパ液のうっ滞によって硬くなった皮膚を改善させます。リンパ管がある場所、体液区分線という境界線など、解剖学に基づいた正確な知識や適した力加減が重要であり、症状がある時には行えないなどの禁忌もあります。禁忌がないかしっかり確認してください。

医療徒手リンパドレナージの禁忌

禁忌となる疾患や症状には、下記のものがあります。

原則的な禁忌

急性炎症(蜂窩織炎など)
心性浮腫、心不全
下肢の急性静脈疾患(深部静脈血栓症、静脈炎など)

相対的な禁忌

悪性腫瘍による浮腫(相対禁忌)

他にも疾患などにより医療徒手リンパドレナージを行えない場合があります。疾患がある場合には、必ず医師に相談してください。

圧迫療法

圧迫療法は、弾性包帯や弾性着衣(ストッキングなど)を適切に組み合わせて行います。これにより、マッサージによって改善された浮腫症状を良い状態に保つことができます。ただし、合わない弾性着衣の着用など、無理な圧迫療法を行うと症状の悪化や炎症を起こす原因になります。着用方法や圧迫の状態など、医師やセラピストの指導を守って行ってください。なお、圧迫療法にも治療が行えない禁忌があります。

圧迫療法の禁忌症

禁忌となる疾患や症状には、下記のものがあります。

原則的な禁忌

急性炎症(蜂窩織炎など)
心性浮腫、心不全
末梢の閉塞性動脈硬化症

相対的な禁忌

高血圧、狭心症、不整脈、強皮症、関節リウマチ、ズディック症候群、真性糖尿病、感覚障害など。また、乳幼児にも行えません。
他にも疾患などにより圧迫療法を行えない場合があります。疾患がある場合には、必ず医師に相談してください。

圧迫下の運動療法

これはリンパの排液を促すために、弾性包帯や弾性着衣をつけた上で行う運動療法のことです。運動と名称がありますが、歩行も運動に含まれます。将来的にもスポーツなどを楽しんでいけるよう、無理のない範囲で積極的に体を動かしてください。運動療法に関しても、丁寧にご指導しています。

弾性着衣について

 

=装着= 

=装着したまま屈伸運動=

セラピストが患者様の症状やお好みに合うよう、アドバイスをさしあげながら計測と試着を行って最適な弾性着衣を選んでいきます。単純に圧が合っているかという問題だけでなく、脱ぎ着しやすい、正しく着用できる、皮膚に影響を与えにくいなど、選択にはさまざまなポイントがありますので、その中から最適なものを見つけていきます。
※2008年4月1日に診療報酬改定が行われ、四肢のリンパ浮腫のための弾性着衣(弾性スリーブ・弾性ストッキング・弾性グローブ)にかかわる療養費が支給対象となっています。

セルフケア講習会

当院でリンパ浮腫の治療を受けている患者様に向けた講習会です。ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の向上を目的に、きめ細かく丁寧にお伝えしておりますので、お問い合わせください。

合併症の蜂窩織炎

蜂窩織炎(ほうかしきえん)とは

皮下組織の急性炎症のことであり、リンパ浮腫があるとリスクが高まります。リンパ浮腫があるとうっ滞が起こりますが、それが長期間にわたって続くと免疫力低下をもたらし、小さな傷などから感染しやすくなって蜂窩織炎が起こります。炎症が起こっている間は、医療徒手リンパドレナージや圧迫療法、排液を促す運動療法が症状を悪化させるため、こうした治療は炎症が改善するまで一時中止する必要があります。

蜂窩織炎の主な症状

 

初期症状には、悪寒や発熱があり、風邪に似ています。他に発赤が起こることがあります。
身体全体に寒気がする・全身がだるい・身体が震えるといった寒気、局所に継続的な熱感がある・38℃以上の高熱などの発熱、患肢全体が赤くなる・虫刺されに似た赤い発疹がみられるといった発赤です。
こうした症状が現れたらリンパ浮腫の治療を受けている医師を受診して治療を受けます。局所的な熱感がある部分は冷却しますが、寒気がある場合には体全体を温めることが重要です。その上で安静を保ってください。

蜂窩織炎を繰り返す場合、生活習慣に問題がある可能性があります。蜂窩織炎だけでなく、リンパ浮腫自体の治療を見直し、適した治療を受けてください。

日常生活で気をつけること

無理なく続けて、良い状態を保つために、下記のことにご注意ください。

皮膚を傷つけないように常に気をつけましょう

  • 血圧測定、採血、注射は、できるだけ健康な側に行ってもらいます。
  • 深爪をしないでください。
  • 虫に刺されないよう気をつけましょう。
  • ペットなどによる軽い傷でも危険です。触れあう際には気をつけてください。
  • 締め付ける下着、指輪、腕時計などでリンパ液の流れを妨げないようにしましょう。
  • 長時間の入浴やサウナを避けてください。
  • 長時間、同じ姿勢で過ごす際には、こまめに休憩を入れて手足を休ませます。
  • 重いものを持つことは避け、小分けして運びましょう。
  • 栄養バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけてください。

治療の流れ 

梅田血管外科クリニックを受診し、専門医による診断を受けてから、複合的理学療法を受けるという流れになります。

当院の特徴

クリニック内でスキンケア指導、医療徒手リンパドレナージ療法、圧迫療法、圧迫下の運動療法などの複合的理学療法や弾性着衣、セルフケアまで一貫して受けられます。
治療院さんでのリンパ浮腫の治療の場合、手術受けられたクリニックとは別の提携するクリニックで診察を受けて頂き、ドレナージを受けられるかどうかの判断をしてもらった上での治療院での施術になります。
当院でリンパ浮腫の治療を行う場合、他クリニックで診察していただく手間が省け、炎症が起きた際、そのまま医師の診察を受けて治療を早期に受けて頂ける事も可能です。
医師とセラピストなどのスタッフが連携しながら治療を進めて参りますので、ご安心いただけます。
なお、初診の際の複合的理学療法には、約90分程度かかります。

付き添いの方へ

当院では、ご自宅で十分なセルフケアを行うサポートとして、付き添いの方にもセルフケア方法をお伝えしております。

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